Gran-desastre

一応の「終息のご報告」

注・問題の人物は2015年11月に、ウィキペディアで我々の記事を削除しました。あろうことか、ヴィゴ・モーテンセンの言葉を『正しいDVDを制作した』という自身の主張に利用したのです。どこまで現実が見えない人物なのかと呆れつつ、真実を伝える活動を続けています。

映画の日本語字幕の誤りはありふれた話です。しかし、『アラトリステ』の場合は主人公の人物設定とストーリーの大筋に関わる重大な誤訳であったために、見過ごすことが出来ませんでした。
映画の公開当時、一般人が書き込めるWeb上のレビューやウィキペディアのページには、誤訳に関する記事が次々と書き込まれました。
しかし、ここで驚くべき事態が起こりました。映画のDVD制作の関係者の中に、誤訳ではないと嘘をつき、ウィキペディアに書き込まれた誤訳の記事を削除する人物が現れたのです。

通常、映画の配給会社や翻訳会社は、DVDのリコールを恐れて誤訳は認めません。しかし、「誤訳ではない」などと嘘もつきません。
あくまで無言で通すのです。
『アラトリステ』の誤訳について嘘をついた人物は、自称「翻訳家」でしたが、スペイン語の読み書きは出来ませんでした。『アラトリステ』以前には映画のDVD制作に関わったこともない素人です。しかし、この人物の名前は「監修者」としてDVDのパッケージに印刷されていました。そのことを利用して、この人物はウィキペディアの誤訳の記事を削除し続けました。ウィキペディアのルールとして、一般人は「専門家」の言葉を否定できないのです。

この人物に対抗するために、私たちは主演俳優であるヴィゴ・モーテンセンに連絡を取ることを試みました。2010年に、アメリカの最大規模のファン・クラブの協力を得て、クラブのブログに記事を掲載してもらったのです。それで必ずヴィゴ・モーテンセンと連絡が取れる訳ではありませんが、関係者が伝言してくれる可能性はあったのです。
私たちは、ヴィゴ・モーテンセンが来日した際に、誤訳について語ってくれることを期待したのでした。
しかし、ヴィゴ・モーテンセンは来日せず、日本の記者が直接インタビューすることもありませんでした。映画雑誌やWebの記事は、海外の記事の翻訳ばかりだったのです。
そして5年が経過しました。

2015年6月に、日本のMOVIE STAR(ムービー・スター)という映画雑誌の8月号に、ヴィゴ・モーテンセンのインタビュー記事が掲載されました。その中に、「アラトリステに誤訳があった」という俳優本人の言葉が記されていました。ヴィゴ・モーテンセンは、5年も前の見ず知らずのファンのメッセージを忘れていなかったのです。
この俳優さんは非常に頭が良く、誠実なことで有名で、ファン・クラブの方々も、その記憶力に関するエピソードは数多いと教えて下さいました。ちなみに、ヴィゴ・モーテンセンは、スーパーマンのような大作映画は平気で断るのに、シナリオが気に入ると無名の新人監督の低予算映画に出演することでも有名ですが、最近は、低予算の場合は自分自身で字幕の翻訳を担当したり、信頼する著名な作家に自費で字幕監修を依頼するようになったそうです。『アラトリステ』の問題で字幕に不信感を持たせてしまったのでしょう。日本人として申し訳ないことだと思います。

主演俳優が自ら発言してくれた貴重な情報です。これは削除させるわけにはいきません。私たちは事前に映画の配給会社やウィキペディアの管理者など、関係各方面に連絡を取りました。配給会社は、「監修者」なる人物のブログについて、一切関知しないとコメントを下さいました。この人物がブログで語った言葉は、「監修者の言葉」として雇い主から認められてはいないのです。
時間はかかりましたが、2015年の9月に、私たちは「ヴィゴ・モーテンセンのメッセージ」をウィキペディアに書き込みました。幸い今のところ、削除しようとする動きは見られません。


残念ながら、ヴィゴ・モーテンセンのメッセージは大幅に削除されました。その結果、あろうことかウィキペディア上では「主演俳優が誤訳に怒り」「DVDでそれが正しく訂正された」という、とんでもない記事が出来上がってしまいました。

そもそもは、2008年に誤訳は明らかになっていたのです。
映画公開時のプレスシートには『求婚を決意』と書かれており、来日した主演俳優は「プライドゆえに結婚しない」という発言を日本語の記事として残したのです。当然、間違えたのは日本側です。DVDで現在でも確認可能な字幕を見れば、間違いの個所も歴然です。首飾りを売る宝石商が「将来を考えて(の贈り物)」と語り、主人公がそれを肯定しているのです。国立大学の教授も誤りだと発言しています。なぜ、誤訳の記事がウィキペディアでは、これほど排除されるのでしょうか。

本来は、『DVDには一か所の誤訳が存在する。主人公はプロポーズを試みない』という記事が、ウィキペディアにひっそりと掲載され、それで終っていた話でした。しかし、珍しくもない字幕修正を記事にしたい人物が存在し、それを『大成功』としたいがために事実を捻じ曲げる無謀な削除を続け、主演俳優までが腹を立てたのです。

もちろん私たちは、これからも手を休めることなく戦い続けてまいります。



重大な誤訳のあるDVDを回収できるわけではありません。問題は何も解決していないのです。字幕制作のプロの皆様には、更なる技術の向上をお願いするばかりです。このブログの記事をお読み下さった皆様には、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

メンバー一同
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by Gran-desastre | 2015-10-01 18:03
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